Excel応用「金型設計で使える」ばね計算機の作成方法【初心者向け】

Excelのばね計算機をカタログレス化させる方法

 

後編-1限目:セルの入力規則と名前の定義でばね種類をリスト選択化する

 

計算機が出来たところで、電卓を使用する必要なくなりましたが

部品カタログから毎回ばねの情報を調べるのは手間です。

そこで、計算機にばねの情報を組込んでしまおうという話です。

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ここからは、図の様にリスト選択する仕組みを作成していきたいと思います。

リスト選択する仕組みは、セルを選択して「データの入力規則」を使います。

参考記事→「Excel 機能「 データの入力規則 」ドロップダウンリスト作成

 

入力値の種類を「リスト」にして、「元の値」に

リストの内容を入力するのですが、この方法は複数あります。

1つ目は、直接カンマ区切りで入力する方法です。

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今回は、ばね種類の例として「SWR,SWU,SWY」とします。

 

2つ目は、セルの範囲を指定する方法です。

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この例では、ばねの情報を別のシートで管理する為

先に「DB」というシートに、ばねの種類を入力してあります。

 

3つ目は、名前の定義をして指定する方法です。

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リスト化する範囲を選択し、右クリック「名前の定義」で

選択範囲に名前「ばね種類」を付けます。

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リスト化させるセルを選択して「データの入力規則」の「元の値」に

「名前の定義」で付けた名前「=ばね種類」を入力します。

 

1~3のどのやり方でもリスト選択になります。

 

後編-2限目:ばねの種類によってリストの内容を変化させる

 

ばねの種類を選択した後は径を選択しますが、ばねの種類によって径は変化します。

1限目の内容を応用する事で、この動作も可能となります。

 

まずは、データベースのシートに種類とその径の一覧表を作成します。

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そして、1限目と同様に範囲を指定して名前を定義するだけです。

今回は「SWR」「SWU」「SWY」の名前を定義します。

※図の径は一部を抜粋したものです。

 

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径をリスト化するセル選択をしたら、データの入力規則で入力値の種類をリストにし

元の値には「INDIRECT()」という関数を使用します。

「=INDIRECT(セル名)」とする事で、参照セルの値を名前として引用します。

つまり、図の例の「=INDIRECT($B$11)」は、「=SWR」と同じになります。

Excel 金型 スプリング Excel 金型 スプリング Excel 金型 スプリング

そして、セルB11はリスト選択によって値が変化しますので

元の値の内容もそれに連動して変化するので、リストの内容も変化します。

 

次に、自由長Lについてですが、こちらは径のリスト作成の応用です。

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データベースのシートの行に種類&径を項目とし

列には自由長Lの一覧を入力したものを作成し、名前の定義をします。

※解説用の為、図の数値は実際とは異なります。

 

自由長Lのリストを作成する為には、種類&径の情報が必要です。

元の値には「=INDIRECT(種類のセル$径のセル)」を入力する必要があるので

「=INDIRECT($B$11&$C$11)」と入力をします。

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※名前を定義する際の名前は、必ずINDIRECTの()内と一致させて下さい。

 

作業が終わったら動作確認をしてみましょう。

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ばねの種類と径の組合せによって、自由長Lのリストが変化すると思います。

 

後編-3限目:VLOOKUP関数を使ってばね定数を表示させる

 

1限、2限でばねの型式をリスト選択する事が出来ました。

最後は選択したばねの型式から、ばね定数の値を返し

ばね計算機に組み込んで、自動的に計算させる仕組みにします。

 

まずは、データベースのシートに型式とそのばね定数の一覧表を作成します。

 

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※図の型式とばね定数は、一部を抜粋したものです。

 

型式に応じたばね定数の値を返すには「VLOOKUP」関数を使用します。

参考記事→「Excel関数「VLOOKUP」範囲の1列目で値を検索し、指定列と同じ行の値を返す」

 

ばね定数の値を返すセルには「=VLOOKUP(」まで入力し

最初の「検索値」は、ばねの型式を入力します。

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ばねの型式は複数のセルを繋げる必要があるので、セル名間を&で繋げます。

よって、この例の配置の場合は「=VLOOKUP(B11&C11&D11&E11,」となります。

 

次の「範囲」は、データベースの検索値の列と、返す値となるばね定数を指定します。

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よって、この例の配置の場合は「=VLOOKUP(B11&C11&D11&E11,DB!B8:C34,」となります。

 

次の「列番号」は、先程指定したデータベース範囲内でのばね定数の列番号「2」を

最後の「検索方法」は、完全一致の「0」を入力します。

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以上で完成した式は「=VLOOKUP(B11&C11&D11&E11,DB!B8:C34,2,0)」となります。

 

作業が終わったら動作確認をしてみましょう。

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これでカタログレス化させる仕組みの完成となります。

このあとは必要な情報を入力して増やしていきましょう。

 

本日はこれでおしまいです。

ご観覧頂きありがとうございました( `ー´)ノ

 

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